当院の考える予防歯科について
「1回の予防は100回の治療より価値がある」by Dr, P.K.Thomas
歯科治療において最も重要なのが、健康な口内を長期的に維持することです。治療が終了しても、その状態を長期的に維持できなければ、治療した意味がありません。
せっかく治療した歯を長期的に維持させるためには、まずは患者さま自身のセルフケアが大切です。
それに加えて歯科医師、歯科衛生士による定期的なチェックとプロフェッショナルケアも非常に重要になってきます。
100回の治療より価値のある1回の予防を定期的に受けて、健康な口内を維持しましょう。
予防歯科での治療
プライベートメンテナンスプログラム
当院では患者さまそれぞれに「プライベートメンテナンスプログラム」を作成しています。十人十色という言葉のとおり、患者さまによって口内も大きく個人差があります。
歯周病のリスクが高い方や、虫歯のリスクが高い方。他にも歯並びの問題や、咬み合わせの状態によって、口内のメンテナンス方法と期間が異なります。
それぞれの患者さまのもつリスクを明らかにして、リスクコントロールを行なうことが大切です。効果的なセルフケアを患者さまご自身に理解していただき、継続して実践していただくこと。そして同時に歯科衛生士による定期的なプロフェッショナルケアを受けていただくことが、メンテナンスの効果を得るためには重要です。
歯磨き指導
普段からきちんと歯磨きをしているつもりでも、歯肉炎や虫歯になってしまうことがあります。ご自身でどんなに丁寧にブラッシングをしても、チェックをすると磨き残しがある場合がほとんどです。
磨き残した歯垢は、唾液中のミネラルと結合して、たった2日で歯石となってしまいます。歯石になるとブラッシングで除去することは不可能です。歯石は細菌の温床となり、歯周病へとつながる危険性があります。
当院での歯磨き指導は、歯ブラシの正しい持ち方や力加減、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方といったガイダンスと、患者さまそれぞれの歯列の形状に応じて磨きにくい箇所とそれに対する正しい磨き方をお伝えしていきます。患者さまがいつもブラッシングの良い点と改善点を把握できるように、丁寧にご指導させていただきます。
フッ素塗布
歯磨き粉の宣伝などで「フッ素配合」という言葉を耳にされた方も多いと思います。
食事をしたり、歯垢で繁殖した虫歯菌が酸を出したりすることで、歯からカルシウムやリンが溶け出してしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。フッ素は溶け出したカルシウムやリンを歯に再度吸収する「再石灰化」を促進させて、歯の表面を修復し、細菌が歯に侵入するのを防ぎます。
フッ素塗布は、歯の生え変わる時期のお子さまが受けられることが多いですが、大人に対しても有効な処置です。加齢によって歯肉が下がると、歯根が露出して歯周病などにかかりやすくなります。歯垢もよりつきやすく磨き残しがどうしても多くなりがちなので、フッ素塗布による虫歯・歯周病予防は効果的です。
PMTC
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの頭文字で「専門機器による歯面清掃」、つまり歯のクリーニングを意味します。歯科医師や歯科衛生士が、毎日の歯磨きでは取り除けない歯垢や歯石を、専用の器具で清掃していきます。
定期的なPMTCの受診は、歯にとって最も良いメンテナンスです。虫歯や歯周病の予防と早期発見、そして見た目の美しさを維持するという審美面での効果も期待できます。
また、エアフローを使用したクリーニングも行なっています。エアフローとは、炭酸水素ナトリウムやグリシンを細かなパウダー状にし、ジェット水流として歯に吹きつけることで汚れを落とす器具です。歯の表面の細菌や汚れを、細かいところまで落とすことができます。
※PMTCは、健康保険適用外の自費治療になります。
定期検診について
歯ブラシだけで歯垢をすべて取り除くことは不可能です。デンタルフロスも使用すると清掃能力は上がりますが、実はそれでも完全な歯垢除去はできません。日々の歯磨きは大切ですが、どうしても落としきれない歯垢や歯石は、定期的なクリーニングで除去しましょう。定期検診を受けていただければ、蓄積してしまった歯の汚れが歯周病などにつながる前に、対処することができます。当院では3ヵ月に1度を目安に、受診をおすすめしています。